楊貴妃の例も引き出でつべくとはどういう意味ですか?
[訳] (唐の)楊貴妃の先例も引き合いに出すにちがいないほどになってゆくので。 ◇「つべう」はウ音便。 〔「べし」が可能の意の場合〕…てしまうことができるだろう。 [訳] 軽く扱ってよい人であるならば、「後で」と言って帰してしまうこともできるだろうが。
「恨みを負う積もりにやありけむ」とはどういう意味ですか?
であったのだろうか。 ▽多く「にやあらむ」「にやありけむ」の形で用いられ、疑問を表す。 [訳] 恨みを受けることが積み重なった結果であったのだろうか。
「下臈の更衣」の読み方は?
同じほど、それより下臈(げらふ、ゲロウ)の更衣たちは、ましてやすからず。 朝夕の宮仕へにつけても、人の心をうごかし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いとあつしくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよ飽かずあはれなるものにおぼほして、人のそしりをもえはばからせ給はず、世の例(ためし)にもなりぬべき御もてなしなり。
「いとまばゆき人の御おぼえなり」とはどういう意味ですか?
上達部、上人などもあいなく目をそばめつつ、いとまばゆき人の御おぼえなり。 上達部や殿上人たちなども、不快げに目を背けて、まったく見ていられないほどのご寵愛ぶりである。
「なりゆくに」とはどういう意味ですか?
なり-ゆ・く 【成り行く】
しだいに(ある状態に)なってゆく。
引き出でつとはどういう意味ですか?
ひき-い・づ 【引き出づ】
(櫃(ひつ)から一冊ずつ)取り出しては読んでゆく気持ち。 引き合いに出す。 例としてあげる。 [訳] (唐の)楊貴妃の先例も引き合いに出すにちがいないほどになってゆくので。
もの心細げにとはどういう意味ですか?
もの-こころぼそ・し 【物心細し】
なんとなく心細い。 [訳] (道は)とても暗く細い上に、つたやかえでは茂ってなんとなく心細く。 「もの」は接頭語。
「この御方の御いさめをのみぞ」の現代語訳は?
この御方の御いさめをのみぞ、なほわづらはしう、心苦しう思ひ聞こえさせ給ひける。 この女御のご苦情だけは、やはり面倒に、(しかし、)気の毒にもお思い申し上げていた。 わが身はか弱く、ものはかなきありさまにて、なかなかなるもの思ひをぞし給ふ。
「女御更衣」の読み方は?
平安時代,後宮の女官の一つ。 初めは,天皇が衣服を着替えるために設けられた便殿 (べんでん) を更衣と称したが,のちにはそばに仕える女官をさすようになった。 女御 (にょうご) の次位にあって天皇の御寝に侍し,四,五位に叙された。
しめすへん桂とは何ですか?
袿とは、うちぎ/女性が唐衣の下に着る衣服/男子が直衣・狩衣の下に着る衣服/うちかけ/女性が小袖の上に羽織る上衣などの意味をもつ漢字。 11画の画数をもち、衣部に分類される。
「おんおぼえ」とはどういう意味ですか?
〔多く「御覚え」の形で〕寵愛(ちようあい)。 目上の人からよく思われること。 かわいがられること。
「あいなく」とはどういう意味ですか?
〔連用形「あいなく」「あいなう」の形で〕わけもなく。 [訳] 世間一般の人もわけもなくうれしいこととしてお喜び申し上げた。
くたびれたとはどういう意味ですか?
くたび・れる【草臥】 ① 体や頭を使い過ぎて疲れる。 疲労する。 ② (特に、動詞の連用形に接続して) その動詞の示す行為を長時間にわたって行なって、その結果、疲れていやになる。
后の位も何にかはせん?
皇后に選ばれるよりも物語を読むほうがいい
どれくらい言い切っているかというと、「后の位も何にかはせむ」(=后の地位もどうでもいいくらい)の心地だったという。 つまりは、「今、皇后に選ばれたとしても、どうでもいいと思うくらい、ベッドの中で1人、物語を読むのが幸せすぎる」と述べているのだ。
何気ないこととは?
「何気ない」は、これという意図もなく、ちょっとしたことを特に意識せずに行うさま。
「すずろなる目を見ることと思ふに」とはどういう意味ですか?
[訳] つたやかえでが茂っていて、なんとなく心細く、思いがけない(ひどい)目にあうことだと感じていると。
「あはれなり」とはどういう意味ですか?
しみじみとした思いだ。 趣深く感じる。 [訳] 蜘蛛の巣が壊れずに残っているところに、雨が降りかかったのが、白い玉を(糸で)貫いたようであるのは、なんともしみじみとした思いで興味深い。
「わづらはし」とはどういう意味ですか?
わづらは・し 【煩はし】
面倒だ。 やっかいだ。 複雑だ。
「なほ」とはどういう意味ですか?
なほ 【猶・尚】 依然として。 相変わらず。 やはり。
侍したとはどういう意味ですか?
じ・する【侍する】
[動サ変][文]じ・す[サ変]高貴な人や目上の人のそば近くに仕える。 はべる。